爆破ルールにおける指揮構想と種類について 

 今回はチームでやり始めた人or指揮官がよくわからんけどなんか中級チームぐらいになってた人向けです。もはや需要あるか知らないけれど、一応指揮官をメインでやっていたので読んで損はないです。

 

 

 指揮構想というのは、指揮のやり方だと思っていただければ大丈夫です。また、種類というのは後ほど具体的な例を上げながら説明していきます。

 

 ちなみに、指揮官の実力が発揮されるのは、チーム同士の実力が拮抗orちょい負けてるぐらいのときです。指揮で勝率を上げるのを目標に解説していきますね。 

 

 

 指揮をするにあたって必要な情報は三種類です。

 

 味方ができることの把握・マップの把握・コミュニケーションの仕方

 これらは、要するに味方の強さ(判断力やAIM的な意味で)と、グレネード知識+クリアリングの順番+マップにおけるポジションの重要性の知識と、コミュニケーションのとり方を知っているのかどうか。ということになります。

 

 用語説明から入ります。

 

 まずスタンダードについて。スタンダードの定義は、相手に合わせて動きを変える配置のことです。プロセスとしては情報収集→作戦実行前のセットアップ(エリア確保やフェイクのための釣り)→作戦実行 となります。

 

 セットアップですが、具体的には○○の場所を取りに行くor○○の場所の敵を倒すor○○の作戦を実行する。というのが主です。要するにエリア確保のために作戦だったり話し合いだったりを試合前や途中で決める必要があります。

 

 これはみなさんが大体できていることだと思います。正直スタンダードに関してできていないチームというのはあんまり見ないです。まあ丁寧にプレイ+指揮官が発言すれば大体スタンダードになりますから。

 

 

 次に作戦の定義です。○○人で行うある程度の縛りを含んだmoveになります。つまり、五人でやる作戦だけがすべてじゃないよ。ってことですね。また、設置までや解除に至るまでを作戦と思っている人もいますが、局所的な○○の場所だけを取りに行く。というのも作戦ですよ。作っておくといいでしょう。

 よく勘違いしている人たちがいますが、作戦は五人で行うものだけではありません。じゃあ先制1kill,2kill取られたら作戦を一切持っていないチームになっちゃうんですか。とたずねたいぐらいですね。特に2on2,3on3における作戦を所持している側、実行可能側の優位性は並外れたものではありません。

 

 今度はラッシュです。突っ込むことです。強いのは人数の差ができるところ。弱いのは人数の差以外に良いところがなにもないところ。

 真面目に解説すると、マネーシステムの存在(CSGOとか)があるゲームは、グレネードを持っているラウンドと持っていないラウンドが存在するので、グレネードを持っていないラウンドを見極めてラッシュや作戦を実行するとバカ強いですね。

 

 最後にコントロールです。爆破ルールというのは、AサイトやBサイトのような爆破地点を取りに行く前段階の時点で、保持している強いポジション、区域が存在します。それらを取ることで、マップ全体のコントロールが図れるということです。コントロールラッシュです。

 基本的にすべてのマップのセンターと呼ばれる場所を絶対に取れるだけで勝率は上がると言っても過言ではないです。まあ、上手いチームは別の場所を取ることで、押し引きの概念が出てくるわけですが……押し引きの概念も今回説明します。

 

 ということで、使う用語の説明は終わりました。

 

 次は指揮構想に入る前に必要な知っておく概念です。

 

 はい。第一に、絶対に取れるラウンドの概念です。飛び抜けた例を挙げると、攻め側において、Aラッシュしかしないチームが、あるラウンドで一回だけBラッシュをしました。というものです。Aラッシュしか来ないので守り側はBの守りを手薄にします。当然ラウンドが取れます。っていうだけの話です。

 この、絶対に取れるラウンドを二ラウンドは欲しいですね。(5ラウンド先取みたいな短いゲームは指揮構想とかいらないです。スタンダード極めるだけ)

 

 まあ、つまり大体作戦で取るラウンドってことになるわけなんですが、スタンダードから布石を貼ることが大切になっていきます。作戦で取るラウンドのために、前提となる釣りの動きを常に意識することで、取れるラウンドを作るということです。

 

 例えば、攻め側で○○の場所を絶対に取ると決めている場合、相手が取ってくる行動は三通りです。

 

 1,攻め側が普段取りに行く場所を取り返しに行くことで均衡を図る。

 2,別の場所を取ることで均衡を図る。

 3,放置

 

 今回、絶対に取るラウンドのためにいつも取っている○○の場所を取りに行きませんでした。どうなるのかをミクロ的に見ていきましょう。1.グレネードを相手に使わせる+その場所に相手を二人以上惹きつけることができる。2.別の場所を取られる+ワンチャンその別の場所を取りに行くためにグレネードを使ってくれる。3.情報が得られない

 

 これをスタンダードからなにも消費せずに、この状況を起こさせるということは、遠まわしに相手をコントロールしていることになりますよね。

 1.ならその惹きつけたことによるメリットを生かして別の場所を取る+早めの奇策系作戦の実行。

 2.なら素直に元から取っていた場所をグレネード無しでゆっくりと取っていきましょう。相手側も情報収集ぐらいしかしてこないのでグレはいらないです。そして、そこから実行できる強力な作戦を早めに使っていきましょう。

 3.であれば2.と同じくグレ無しで取って、作戦を実行したいところですが、相手はグレを使ってきていない+カウンターで普段取っていた場所に来る可能性があります。慎重に情報を得る+浮いたグレを生かして別の場所を取ってアドバンテージを広げて、丁寧にラウンドを取りたいところです。

 

 このように、絶対に取れるラウンドをチームで考えて作ることが大切です。なぜなら、攻めと守りの交代が存在する爆破ルールにおいて、基準となるラウンドを設けることができるからです。

 16本先取の15本交代の5v5のゲームにおいて、先程から説明している確定ラウンドを作るのに9ラウンド(firstラウンド+情報収集2ラウンド+スタンダード6ラウンド)の時間が必要だとします。つまり、確定ラウンドを実行するための前提となる釣りのスタンダードラウンドの時間のことです。

 ということは、それを可能にするためには、前半で○○ラウンド数必要で……情報収集にかけられる時間は○○ラウンド数、勝負をかけることができる(不確定だけれど相手の調子を崩させられるラウンド)ラウンド数は……っていうのを指揮官が自分で思考していくわけです。

 

 また、これは攻めと守りの有利度が五分五分でないときに有効な手札となります。

 例えば、明らかに7:3で守りが有利となるマップが存在したときに、自分たちが攻め側で確実に2ラウンドor1ラウンド取ることができると考えてみましょう。これは確定ラウンドの作り方を知らないチームに比べると圧倒的な優勢を得ることができるわけです。

 基本的にスタンダードにしろ作戦にしろ、成功度なんてプレイヤー同士の実力(AIMや判断能力)が拮抗している場合には65%~75%程度でしょう。それを90%~95%程度の成功率を誇るラウンドが二つか一つ存在するだけで、どちらのチームが優勢かなんてのはもう説明不要ですね。

 

 

 軽く1万字行きそうなので要約しましょう。

 

 絶対に取れるラウンドを作る→指揮をするのにあたって、チームのスタンダードのやり方が決まる→思考する量が減って、指揮が楽+チームも動きの種類がある程度制限されることで質が向上

 

 ということになりますね。

 

 スタンダードだけで相手に勝つのは格下じゃない限りは不可能です。それはみなさんが自覚していることでしょう。なぜなら、スタンダードの勝率が100%ではないからです。要するに、スタンダードの勝率が60%だったとしましょう。ということは、こちらが勝利するまでに残りの40%を引き続けたら負けるわけですよね。だから、確定的に取れるラウンドを用意しておくわけなんです。

 

 いきなり使っても勝率50%から60%にしかならない作戦、ラッシュを90%~95%にまで引き上げるための建前……それがチームにおけるスタンダードの考え方、作り方、動き方です。ラウンド最初からの動くタイプの作戦でも、スタンダードから移行するタイプの作戦でも、どちらでもいいわけですが、絶対に取れるラウンドを用意することで、勝率を上げることになるわけです。

 

 もちろん負けるときもありますよ。それをなくすためにスタンダードの勝率を上げるのが、おそらく普段みなさんがやっているチーム活動だと思っています。しかし、指揮によって勝つというのは、チームのミスを減らすとかそういうのとは別の概念から勝利に近づけるわけです。

 

 ちょっと分かりやすいかどうか分かりませんが、AIM強い人達5人集めてもおそらく勝率は8割ぐらいが限界です。なぜなら、上記のような指揮による勝利への安定性が欠けているからです。スタンダードの勝率が6割ぐらいだとしても、残りの4割を引き続ければ負けるわけですよ。

 

 

 長くなりましたが第二に、味方の能力のことです。

 味方には得意なことがなにかあったり、なかったりします(なかったらキックで)。例えば、AIM強者、状況判断に優れている、コミュニケーションの取り方が上手、読み合いが上手い、1on1の技術が優れている……などなど、まあ色々あるわけです。これが分かると、スタンダードの配置や作戦の配置が決まっていきます。

 

 第一の知識で、基本的な指揮構想はまあできるかと思います。序盤で情報収集、中盤でスタンダード+作戦orラッシュ、終盤で確定的に取るラウンド……もちろん、この序盤中盤終盤っていうのは攻守交代する前の話ですよ。攻守交代したらまた新しく序盤中盤終盤……みたいな感じですね。

 

 

 ということで、スタンダードをするにしてもなんにしても、まず動きにおける後衛と前衛を作りたいです。

 

 基本的に1on1の技術が上手い人は集団から外れた情報収集系の動きをさせるor最終的な爆弾設置or爆弾解除の状況で生き残る立ち回りをさせたいです。

 操作技術に長けた人がいると、指揮官的にはすごく楽ですね。情報を無傷で得られる人は重宝します。そういう人は先頭or集団から外れた情報収集系。

 判断能力に長けた人は自分が瀕死のときに無理に戦わずに味方に任せられたりとか、基本的に勝率を上げるのに底上げできます。また、指揮官としての補助的役割も担えます。なぜなら、指揮官がA側にいるときにB側へ細かい動きの説明は難しいですから。

 

 そんなこんなでスタンダードで配置するならこの人はここ。この人はここで……って感じに具体的にスタンダードの配置が決まっていきます。作戦なら~ってことで以下同文。味方の能力が分かっていると、具体的な一ラウンドごとの動きが決まっていきます。これで大体の指揮構想と一ラウンド一ラウンドの配置が決まりました。

 ちなみにみんな特徴がないのなら別にこんなのいらないです。好きにその場の流れで動こう!

 

 

 第三に、押し引きの概念です。こちらは指揮構想というよりは技術よりですが、大切なので。

 超単純ですけど、トレードの概念を持てばいいだけの話です。キルトレードと同じで、やられたらやり返す。場所を取られたら取り返すって話です。ここからどうやって指揮構想に話が流れるのかというと、○○の場所を取っていて○○の場所が取られている。このときに自分たちが取るべき行動は……ってのを事前にチームで話しておくと吉です。相手が○○の場所をよくコントロールしてくるときは、こういう作戦を使って……っていうのも指揮構想ですね。

 

 

 第四に、これで最後ですが最低ラウンド、平均ラウンド、理想ラウンド、の概念です。要するに、このマップのこっち側スタートのとき、交代で○○数ラウンド取れていたときの場合、○○数ラウンドをなんと呼ぶのか。って話です。

 

 第一の話と通じるんですけど、交代のときのラウンド数で後半の動きは変えましょうねって話です。どのゲームタイトルでもfirstラウンドラッシュって強いと思うんですけど、正直それは実力勝負を放棄しているってのは否めないんですよ。

 

 本来の実力勝負って、お互いの判断能力とカバー力、最終的な1on1の強さの出し合いみたいなものなので、強いんですけれどメチャクチャ負けているときにそれをやっていいのかって言うと分からんってのが正直なところです。そこら辺は指揮官それぞれの考え方になっていきますが、個人的に負けているときこそ慎重にやっていきたいし、勝っているときこそ派手に動きたい派です。なぜなら、一ラウンドごとの重要性が違うので。まあ、もちろん逆張りでむしろぶっ潰したいって気持ちも分かりますので、否定はしません。

 

 さて、では第四の概念でなにが指揮構想に繋がるのかというと、スタンダードの動き方を変えましょうねって話です。正直最低ラウンド……例えば、16本先取の15本交代の5v5のゲームに置いて、7:3で守り優勢マップかつ、守りスタートだったのに15ラウンド中5ラウンドしか取れていないとしましょう。となると、もう落とせるラウンドは存在しないので、全て勝利しなければいけないわけです。そこで勝率80%のラッシュ系を取るのか自分たちの動き次第で勝率が50%~90%のスタンダード系を取るのか……って話になっていきますね。

 そうやって、自分たちが得ているラウンド数で、後半の動きを変えること……これが重要な指揮構想になっていきます。

 

 

 以上で、指揮構想における予備知識の説明は終わります。長かったですね。

 これで指揮官の方が自分で指揮の作り方はある程度できているとありがたいなあと思います。次は種類ですね。こちらはただの読み物レベルでしかないですけど。

 

 

 1.スタンダード中心に相手の穴に合わせて作戦を実行していくタイプ(個人の実力が大切)

 2.スタンダードをコントロールよりにすることで、相手を縛り、そこから自分たちがやりたいことをやるけれど、相手にはさせないタイプ(情報量に大きな差が出やすい)

 3.作戦を中心として、ほぼスタンダードの概念がないタイプ。ただし、相手の動き次第で作戦を途中変更することはある。(作戦が強くてハマればいいですが、正直強いか分かりません。昔の人たちのFPSはこんな動きってイメージがあります)

 

 大体の人は1.ですね。まあスタンダードの意義ってそれですから普通なんですけど。でも、思ったよりこれって難しいんですよ。情報収集の仕方が分かっていないレベルの人達だと、敵の場所が大まかに分かっているけれど穴は知らんとか、情報収集で死んでるし、なんか気づいたら場所が取れてる……みたいな。

 このタイプでは味方の動きをある程度縛って、情報収集の仕方にやり方を指南してあげると吉だと思います。筆者は苦手な指揮のタイプです。味方が頭の中で描いたことをしてくれるようになるまでかなり時間かかると思います。スタンダードの意味は相手に合わせて自分たちが動くことですから、ちゃんと相手の動きに対してカウンター的な個人技をするのか、それとも自分たちが前ラウンドの情報から相手の動きを読んで潰すのか。っていうのもスタンダードに入ってくるわけです。

 この指揮は難しいです。基本だからこそ、個人の理解度が必要になります。

 

 

 2.こちらはあまりやっている人は見かけません。が、1.のスタンダードで似たようなことをしている人は多いのかも。 要するにスタンダード段階ですでにコントロールに入ってるってことです。守り側の目線で考えると、攻め側は○○と△△の場所を取らないと攻めてこられない→片方の○○だけは絶対に取ることで、相手に○○の場所を取り返しにこさせるか、捨てて△△だけから攻めて来させる形式を作る。というものです。

 

 こちらの利点は形式を作ることで練習の質が高まります。1.よりも起きる出来事の種類が少ないので、チームとしての強さが早めに上がります。また、情報量で差をつけることができるので指揮官としての差が出やすくなります。

 そして、スタンダードにおいて相手の動きを縛ることで不確定要素消します。どういうことかと言うと、スタンダードでコントロールしない場合は敵のいる場所を把握してからの作戦実行となるわけですが、コントロールした場合は敵のいる場所を制限させてからの作戦実行となるわけです

 まあ、もちろんコントロールしないスタンダードが存在するのかっていうと別なんですけど、こっちは絶対にやってくれるから安心感がありますよね。理解度が高い味方なら1.でも結局コントロールするんですけど。 

 

 欠点としては、コントロールができなかった場合が悲惨なことになりやすいのと、コントロールする場所に固執しすぎて損害が大きくなるときがあります。また、コントロールする場所にグレネードや人員を裂くことで動きが読まれやすくなります。(押し引きの概念)自分はこのやり方が好きです。

 

それに、味方に説明すれば動きができあがりやすいです。1.はとにかく個人技が必要なので。

 

 

 3.指揮官の読み能力と作戦の圧倒的強さ、練度……スタンダードがないことによる読まれなさは間違いないんですけど、運ゲーと、客観的には見えちゃいます。こんなことしてくるタイプのチームは滅多に見ないのでわかりませんが、指揮官の読み能力次第です。理論上は最強かもしれない……。

 

 

 手っ取り早い強さの上げ方をおまけで書くと、スタンダードから移行するタイプの作戦を三つ作りましょう。ラウンドスタートからやるタイプの作戦なんて1mapにつき片方の陣営で1個あれば十分だと思っています。そら多くあるに越したことはないですけど、それよりも優先する練習はたくさんあります。大会で結果を残したいなら必要になってきますが。

 

 

 最後にまとめます。

 

  絶対に取れると確信するラウンドを作る(それは強い作戦を作ることではなく、作戦の成功度を上げるための前提の動きをできるようにする

 

  味方の能力を把握することで、スタンダードや作戦の配置をきちんと決める。まあ、緊急時には配置どおり行かなくても仕様がないです 

 

  押し引きの概念を覚えることで、相手がやってくる行為に対するアンチをチームで考える

 

  前半ラウンドの数によって、後半ラウンドの動きを変える

 

 以上です。