逆算から考えるスタンダードのやり方

    タイトルが長くなることを嫌がって省略したんですが正確に書き記すのなら

    逆算から考えるスタンダードの「無駄の省き方」です。

 すべての爆破系FPSに通じまーす。

 

 

    スタンダードの定義は下記参照。

 

    指揮のやり方と、あと必要な考え方も挙げていきます。

 

 

    スタンダード:一ラウンド中における最終目標のために、柔軟に情報収集エリア確保をすること

 

    指揮スタイル:自分たちのアクション→相手のアクション→それに対するアンチムーブ

 

    マップ構造の知識:dust2を例えで使います。こっちは記事みてね...別ゲーの人でも読めばなにが必要かはわかると思います。

 

CSGOのマップに関する解説 - FPS爆破講座or雑記

 

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    逆算することで分かるのはやっていいライン悪いラインを明確にできるということです。

    この逆算を活かして、スタンダードの考え方を作っていきます。

 

 

    チャート式で見ていきましょう。

 

    1.最終的にチームが求める状況を把握する 

    2.最終目標を達成するためにかかる時間の把握

    3.生き残っていなければならない人数、死んでもいい人数を把握する

    4.残さなければいけないグレや道具、使用してもいいグレや道具を把握する

 

 

    ぶっちゃけ、かなり難しいことをします。けど、脳内シミュレーションでできるようにするのは絶対に得することなので(個人技そのものが向上する)頑張りましょう。

 

 

 1.最終的にチームが求める状況を把握する

 

 dust2のTR、今回はB挟みで考えてみます。当然ですがcat+Aトン前の確保大前提です。

 

 dust2のTR基本戦術A挟みでありますので、A挟みができるけれどB挟みに変更するという流れをめざしています。

 

    そのマップにおける基本戦術はいつだって実行可能でしょうから、A挟み→B挟みの流れがふさわしいでしょう。最初からB挟みを狙うと、失敗したときにラウンドが勝てなくなるので。

 

 B挟みを成功させるために広場の確保が必要になっていきます。

 では、広場の確保必要な最低人数は? おそらく二人

 つまりA挟みの準備段階で、二人までしか死ねません。Bトンに一人行かなければ挟めませんから。

 

    求める状況は

 Aトン前+CATの確保、そして三人生き残っていることです。

 

 

 2.最終目標を達成するためにかかる時間の把握

 

  B挟みをする上で考慮すべき状況三つ

 

 ・Bトン上でのアクションと、longでのアクションにかかる時間は何秒なのか。

  (狙いは相手に2-1-2 or 1-1-3の継続)

 

 ・cat+Aトンを確保しました→そこから全員が広場toBまでに何秒かかるのか。

 

 ・広場のアクションに何秒かかるのか(広場アクションによるA3からA2への配置移動を相手にさせるのに何秒かかるのか

  これがA挟みに必要な動きであります。

  そして、このA挟みの動きに乗らず相手がA3のときにB挟みをするのです。

 

 

 

 

 3. 生き残っていなければならない人数、死んでもいい人数を把握する

 

 cat+Aトンを取るのがA挟みまでの前提準備と考えると、cat2とlong1がいれば最悪なんとかなるでしょう。ということは、私の指揮ではB挟みをする前3人必要と定義します。

 逆に言えば二人までは死んでいいということです。

 

 

 計算してみましょうか。

 

 ・Bトンでのアクションの際に味方が一人死んだ

  →広場へのアクション or 広場の確保をするまでに残り一人まで死んでいい

 

  ・Aトンでのアクションの際に味方が一人死んだ

  →広場へのアクション or 広場の確保をするまでに残り一人まで死んでいい

 

 ・5vs5なら広場へのアクション or 広場の確保には二人まで死んでいい

 

 

 チームで生きている人数を考えながら自分が積極的に動いていいのかダメなのか考えていくのです。 

 

 

 4. 残さなければいけないグレや道具、使用してもいいグレや道具を把握する

 

 こちらはチームによって好みが変わりますので割愛しようかと思いますが、ヒントだけ残します。

 

 

 TR側――攻め側は二つのイメージが必要です。

 

 ・情報収集や釣りが終わった後の、いざ設置へ向かう状況必要なグレや道具

 

 ・設置し終わったあと必要となるだろうグレや道具

 

 

 CT側――守り側も二つのイメージが必要です。

 

 ・設置されそうな状況、相手が設置箇所まで攻め入ったとき残しておくグレや道具

 

 ・設置されたあとに、取り返しで必要となるだろうグレや道具

 

 

 

 以上がスタンダードに必要な考え方、無駄を省くために必要な発想です。

 具体的に解説していきます。

 

 

 1.について

 

 

 これは2.3.4.のためのものなので、単純にマップを真の意味で理解すれば分かりますCSGOなら最初に貼ったURLを見ればなんとなくつかめるでしょう。

 

 

 2.について

 

 

 これを習得すると、もっとも強いフェイクが可能+無駄な時間の削減ができます。

 私が思うに、もっとも強いフェイクというのはギリギリまでどちらかに攻めるのか分からないときです。

 

 

 dust2ではAトン前から広場へ、そしてBドアに行くまで14秒かかります。

 設置までに投げておきたいグレネードクリアリング、さらには歩いた場合相手に気づかれないように)で計算していくと、合計23秒必要だったとしましょう。

 逆算をして、23秒あればAトン前toBドア(広場割りバージョン)間に合うわけです。

 

 まだ加えます。Bトンの味方と挟もうと考えていたのなら? Bサイトの領域をクリアリングするのに、Bトンの味方と合わせても4秒かかります

 

 そしてC4の設置3秒必要

 

 

 これで情報はそろいました。B挟みをするとき、Aトンにいる味方の援軍を待つのならC4設置にかかる時間は30秒です。

 

 しかしこれは理想論敵がいなかった場合のクリアリングの話をしていますし、相手がFBやモロトフで時間稼ぎをしていない状態で計算しています。

 最後の考慮です。味方へB挟みをするという旨、報告、指示を出すのにかかる時間が2秒だとしましょう。細かく誰になにをしてほしいか伝える2秒はかかります。

 

 では実際に最終目標へ向かうときに必要な時間は……?

 

 

 おそらくB挟みをAトン前の味方をきちんと待つ場合は39~44秒前後と考えられます。

 

 CSGOは1分45秒でラウンドが終わります。つまり本命に必要な1分1秒は好きに与えられた時間と分かりました。

 ですから、チームは44秒までは好きに動いていいのです。これがギリギリまで分からないフェイクを生み出します。

 

 

 そして1.と足し合わせます。

 

 例えば、最初からAトン前にいなかった人で考えます。

 味方がAトンで死んだ→ミッドにいる人がAトンへ→Aトンでのアクションにかかる時間が8秒

 つまり、なにか確定的な情報がないときは44秒+8秒→52秒を切った段階B挟みは少し時間が足りずに焦ってしまう状況に入るということです。

 

 時間が足りないとは? それは相手にB挟みを気づかれてしまわないように丁寧な動きができないということ。

 だから逆算して時間を計算するのです。

 

 

 実例を挙げるなら

 

 Aトン前から足音を立てて広場へと向かってしまう

 Bトン上から足音を立てて広場へと向かってしまう。

 catの確保ができなかった or 維持をする人間がいなかった

 誰がグレを投げるのかっていう指示や、サイトに侵入した後、誰がなにをするのか決めておくとか、そして誰が最初からFBを避けるために後ろを向いておくのか報告できなかったとか。

 

 このような事前の報告が間に合わなくなる可能性が高くなるのです。

 チームで検証を繰り返せば、明確に間に合わない時間が見つかることでしょう。

 

 

 

 これを全マップできますか? 誰でもできるような地道な計算です。けれど鬼のような面倒臭さをしています。

 作戦で、どこにどんなグレを投げるかなんて研究をする前に、もっと必要な計算があるのです。

 

 この計算をおこたっているチーム、プレイヤーが「味方のカバーに間に合わなかった」という自体をまねいているのです。

   

 

 ……もちろん、そんなことはしなくても勝てます。この計算が必要のないときもあるでしょう。相手が予想だにしないタイミングで攻める作戦ってのは世の中にありますから。

 相手の意表を突くのには、味方の援軍を待たないという選択肢もあるでしょう。

 

 ただ、それは意図していましたか? 意図して、味方の援軍を待たないことで意表を突こうと思っていましたか。

 そうでなければ、計算をするべきでしょう。人数差、カバーは正義ですから。

        

 

 

 3.について

 

 

 こっちは最初に書いたほうですべてなんですが、自分たちの起こすアクションに死の可能性が何%あって、そして実際問題で死んで良かったのかどうかを考えるわけです。

 

 

 私が指揮官の目線で考えると、とりあえず先制1killを取られるという自体は、そこまで重く見ません。もちろん死なないにこしたことはありませんが。

 

 3vs3の状況下で個人技で1kill取られるのは絶対に許しません。情報収集か何か知りませんが、味方の意図していない戦闘で死ぬのは普通に戦犯です。そのラウンドにおいて。

 

 

 本当に死んではいけないタイミングは、dust2のTRなら三人以下です。これを切った瞬間にすべての戦術は消え失せ、残るのはAIMゲー、連携ゲーのみですから。

 だからそれを逆算するのです。

 まだ5vs5だからアグレッシブに、SRで敵を殺しに行ける。二人でlongを取りに行ってみる。

 4vs4でもまだいける。

 

 では3vs3なら? ダメですよね。

 例えばAトン側の勝負とBトン側の勝負は同時に起こしてはいけません

 なぜなら両方が死んだときに三人以下になるわけなので。

 

 

 死の危険性があるとき、それは最終目標に影響がないのかを考えましょう。

 そうでないチームが、混合チームが、始まってすぐに二人死んでそのラウンドが崩壊するのです。

 これはチームの連携力ではありません。

 個人技です

 

 

 まあ、指揮官のやり方によっては味方の動きをほとんど統率する方もいますが、それは稀有なので例外としましょう。個人で判断するのが大半です。

 

 

 とにかく、何人いれば勝率40%は最低でもあるのかってことを、相手の人数と合わせながら計算しましょう。それが、チームに出せるギリギリのアグレッシブさを生むわけです。

 

 

 

 4.について

 

 3.が作戦――チームの動きを決定づけるのに必要なことだしたら、こっちは成功率に関わってきます

 

 あなたの思う作戦に必要なグレ総数は何個なのかを把握したいわけです。B挟みならスモーク2つとFB3つ、場合によってはモロトフ1つぐらいは欲しいですね。

 さらに、設置したあとに使いたいグレを計算すると……スモークは3つ、FBは5つ、モロトフは理想2つ欲しいです。

 

 この計算のために、チーム全体でどのグレを何個使っていいのか、何個までフェイクに使えるのか、敵を殺すために使えるのか。って逆算していくわけです。

 

 

 

 チーム全体で考えるというよりかは、個人で知っとけよこの程度。ってレベルの話です。まあ、その知っとけよこの程度のレベルがメチャクソ高いんですけどね。

 

 スタンダードでこのレベルの考えをできるプレイヤーは、中堅層にはまずいません。あなたが「グレネード足りねえ……使いすぎた or 金なかったからな~」と思ったらその時点で逆算から考えるスタンダードはできていないでしょう。

 マネーシステムのこともそうですよ。

 

 次にお金これだけ入ってくる→次に必要なグレの個数は……?→このラウンドは実はこれだけしか買えないのか……節約するしかない……

 

 って計算をするのです。感覚でやっても問題ありませんが、この考え方を言葉にできないようなら上位に行くには時間がかかるかもしれませんね。

 

 

 また、設置後のミスも、このスタンダード段階誰がどこに行くのか最終的な1on1の形はどうなっているのか、を事前に報告できる時間を用意していないのが敗因ですよ。時間を用意してたのに報告しないのはダメですけど。

 

 

 こうして、あなたのスタンダードの完成度は上がっていくのです。ナイス逆算。ナイス地道な努力

 

 

 以上です。