少数戦の技術  初級から上級まで

 もう自分はFPSは引退したに近い形で、もはや勘もなにもかも失ったような気がしていますが、書けるだけ書き残しておこうと思います。

 

 

 もし知らない用語が出てきたら検索をするか、下記の記事から少数戦のところだけ読んでください。

初級者or中級者クラン向け意識すべきことや練習内容tips - FPSの爆破ルール講座やe-sportsを語る

 

 ps)記事を書き終わって追記してるんですが、ぶっちゃけ少数戦=報告だと思っていいです。自分で記事を書いてて、少数戦の解説するつもりが報告の解説になっていました。

 

 

・やるべきこと

 

 基本レベル 

 

 カバー

 味方が殺しそこねたやつを殺したり、味方が死んだら代わりに戦うことです。報告はこれをするためにあります。味方にFB(フラッシュバン)を投げてあげることも大切。

 中級レベルの話ですが、FBの炸裂する距離を把握することで不可避FBという、見えた瞬間に炸裂するFBを投げれるようにすると良きです。

 

 

 自分たちのHPの報告

 HPの報告がなければ勝負に出ていいのか、もしくはどちらが釣りに出るのか、要するに少数戦に入る前の状況判断に使う。これがなければ少数戦という概念に入ることができない。

 

 

 敵に関する報告

 敵の居場所や人数の報告。守り方など全体的な動きの報告。基本レベルであろうと、殺され方の報告は欲しいです。どんな風に殺されたのか知ることは大きいです。例えばワンパンHSとかはあまり意味がないんですが、ピークの多さとか、釣りで殺されたとか。そうすると敵の位置だけじゃなくて、どういう動きをしてるのか具体的に想像がつきます。

 

 

 現在状況の報告

 特に戦闘後など、状況が一気に変わった後にすぐに報告すると全員が情報共有できます。例えば、味方の現在人数や敵の現在人数。グレの量やHP……報告のタイミングが細ければ細かいほどに、状況の把握はできます。あんまり多いと集中力切れやすくなるので一長一短ですが。

 

 

 中級レベル

 

 

 敵に関する細かい報告

 敵のおおよそのHPや、細かい居場所、敵がよくいるポジション、好きな動き、その他諸々の傾向。これによって少数戦の勝率が跳ね上がる。

 

 

 自分の行動の報告

 例えば設置をする時、自分がどこに行くのかを伝えるだけで勝率は跳ね上がります。なぜなら味方がどこへ行ったのか聞いてくる無駄な時間もなければ、動きの合わせ方を頭の中でイメージできたりもするからです。あと細かいですがリロードしていいか味方に聞いたりもします。

 

 

   味方の行動への指針

 上とつながっていますが、味方になにをしてほしいのか伝えることで自分が悩まなくなります。あと味方もなにをしてほしいのか分かるので、動きを合わせやすくなります。

 

  

 集中力の使い方

 例えば、スナイパーでスコープを覗いてるときは全神経を使います。報告を耳に入れて理解するのに普段より時間がかかることは結構あります。そういう時、報告が来たら一度集中を外して報告をちゃんと聞いてからもう一度集中する。とか、一度引いてみんなの情報を聞き直すとかですね。

 基本的に全ラウンドで集中できる人間はまずいないです。自分が知っているのは日本人だけなので地域を限定してしまいますが、日本FPS歴代最強クラスでようやくそれにあたっていた覚えがあります。基本はみんな、集中するところとしないところの差をつけます。

 これを意識して、そこに敵がいたのか。ということがないようにしましょう。

 

 

 上級レベル

 

 

 自分のしたいことの報告

 中級レベルでは自分がこういう行動するよっていう報告です。上級レベルでは自分がなにをしたいのかを伝えることになります。 

 例えばFB入れるから○○取って。これは中級レベルの2番目と3番目の合わせですが、上級レベルは○○取ったあと、△△にアクション仕掛けて、反応あったらそのまま待機。反応ないなら固まって××仕掛けに行こう。△△は一旦捨てていい。

 

 

 味方がなにをしたがっているのかを聞く

 味方がなにをしたいのか聞くことで、自分はそれに完全に合わせることを目標としています。これが必要になってくるのは自分たちが現在状況の報告が少ないために、なにをすべきなのかわからない時。そして、相手が格上で動きが縛られてしまう時です。

 これは少数戦だけでなく、5on5の状況でも結構便利です。

  

 

 情報がない報告

 なにいってだコイツ。と思うかもしれませんが、情報がないということはセットアップ系のなにかをしてることが大半です。勘がいいタイプの人たちは、情報がないから作戦系で攻めてくる。ってのを察知して、それのカウンターを用意させるわけです。(まあ上級クランはそんな甘い状況出さず、ギリギリまで釣って本命を分からなくさせますが)

  

 

 なにをされたら負けるのかの報告

 未来予測が得意なプレイヤーになってくると、自分たちの立ち位置と敵の大まかな位置から、最悪な状況がすぐに見えてきます。それをされたら負ける。という報告から、その動きに対するアンチを立てられるので、この報告は大切になります。

  

 

 相手の傾向の報告

 これは例えば守り側で、○○の場所をいつでも取るとします。そういうときに、相手は取り返してくるのかそれとも別の場所を取りに行くのか。というようなものです。

 指揮官の判断を尋ねる報告に近いです。逆に考えると、相手の傾向がいきなり変わった場合、特殊な作戦をしている場合が多いです。それによってどちらに攻めてくるのかが、ラウンド始まって30秒ほどでほぼ確定できたりもできます。

 まあ、上級クランだとそれすらも読み合いになってきますが、そこら辺は指揮官の読みレベルになってきますので。

 

 

・タブーであること

 

 

 いらない情報を報告

 まあこれ難しいんですけど、貰ったところでなにも生まない報告です。例えば、敵の位置の細かい報告を受けたはいいが、そこに到着するのに時間がかかりすぎて、相手が移動する時間がある場合とか。

 そんな細かい報告をするぐらいなら、単純にA側何人、B側何人。みたいな大雑把でいいんですね。

 基本的に、報告は時間が短くなればなるほど、そして味方の距離が近ければ近いほど細かくしていくものです。

 

 

 味方ベイト

 味方を殺してキルを取ることです。「え、これタブーなん? 状況次第じゃない?」という意見はまあ正解なんですが、基本タブーです。

 しかし、味方ベイトをやるときがプロたちにあるのも、本当のことです。例えば2on2の状況で、1on1絶対に勝てる自信のあるプレイヤーがいたとしましょう。

 そしたら『2on1の状況を50%作れるが、1on2になってしまう可能性も50%ある動きをする』よりも、『先に撃ち合いで勝って負けてしまうため2on1にすることは絶対にないが、1on1までは絶対に持ち込める動きをする』ほうが勝てるわけです。

    

 極論かもしれませんが、自分はこれを弱いチームがやる行為だと思っています。連携力やマップに対する理解度が少ないから、こういう博打をするハメになっていると思っています。客観的な目線で言えば、実力勝負の放棄です。

 それよりも、2on1をできる可能性を頑張ってあげること。それこそが、チーム練習の意義なのではないかと思っています。

 その場の勝利を求めるがために取る苦肉の策です。これを取るときは、それをきちんと心に留めておいてください。勝てば官軍ですが、負ければ賊軍です。もし、やるのであれば、それは味方に伝えるべきでしょう。そうでなければ信頼が薄れていくかも。

 

 ただし、ちゃぶ台返しになりますが、とてつもなくベイトが上手いプレイヤーが居る場合は除きます。指揮官すらもその人に合わせて作戦を変える、作るレベルならば。

 

 

 1on2の状況を作る

 壁から出たはいいが、出すぎて1on2の状況を作ってしまう。なんてことがあったりするかと思います。できるだけ出るときは、どこの敵を倒すのかをイメージしながら1on1の状況にすることを意識しましょう。

 私は、敵を倒す順番が違うから負けた系の言い訳を聞いたことがあります。

 違います、1on2の状況を作るから負けるのです。

 

 

 集中していない

 気をつけて。

 コツは、味方の報告をきちんと聞くことです。そして聴き直すことも必要です。すると、集中すべきタイミングが分かります。チーム全体で情報の再共有ってのはとても強い技術ですよ。

 

 

 無駄な撃ち合い

 有利を広げるための撃ち合いなのか、それとも有利を作るための撃ち合いなのか。意図を持ってください。4on2の状況なのに、わざわざ敵を殺しに行く必要は、そのラウンドを取得するためだけならありません。4on1だろうが4on2だろうが有利に差はありませんからね。

 意図を持って行動しましょう。いらないポジションの確保や、いらないクリアリングのためにリスクを取らないようにしてください。例えば、攻め側ですでに設置ポジションに入っているならもう後は守るだけです。そこに1on1をする理由は大体ありません。

 コツとして、自分が味方から離れてまで行くことが得かどうかで判断しましょう。味方をカバーできる状況を消す価値があるのかどうか。それが大切です。

 

 

 読み合いという名の運ゲー

 自論ですが、読み合いは最後に使います。それは、確定されている情報から有利が取れないから、読み合いを使って不利or五分の状況を、有利な状況にまで持っていこうと思うわけです。

 敵の動きが読めないから勝てないというのは言い方悪いですけどそれ読み合いゲーしてるから勝てないんですよ。理屈上、強いとされている動きだけすればいいのです。経験則や読み合いなんてのは一番最後に……不利な状況から五分の状況や有利な状況に持っていくのに使うのであって、そうでなければ強い動きをし続けるのがいいのです。

 たまに聞く話ですが、チームによる相性差があるって話です。言いたいことは分からなくもないですが、読める相手にしか勝てないなら、それは博打のゲームをしているに過ぎません。相手がなにをしてきても勝てるように、最低五分の状況を作れるように……心がけましょう。

 

 

 記事全体が長くなって誰が読むのかと思いましたが、欲しい人が読めばそれでいいのです。

 

 

 ps.アクセス数が増えていたので超特別な追記をします。

 ほんとうの意味で報告とは、味方に○○をしてほしいと言えばそれで成立します

 敵の位置の報告すら邪魔なときがあるのです。

 

 例えば、敵がラッシュをしてきました→「こっちに二人寄ってきて」とてもいい報告です。

 分かりますか? →「ラッシュしてきた! 4人見えた! 寄って!」このような報告は実は正しくないのですよ。

 

 そう、実は報告というのは真の意味では味方に指示を出すこと+自分がなにをするのか伝えるだけで十分なのですよ。

 

 例えば、Aサイトに攻めるとします。→「左側クリアする」いい報告です。短時間で意図が伝わる。ラウンド時間に猶予さえあれば、誰がどこを見るのか細かく指示するのも悪くない。

 この報告では弱い→「Aサイト取ろう! 固まって固まって...よし行こう!」

 

 報告の道は厳しいですね。敵がいることなんて大前提ですから、それよりなにをしてほしいのか、なにをすると伝えるのか。それが最も重要なのです。