FPSには陣形と役割というものが存在します。
陣形というのは単純にカバーするための事前の動き。
役割というのはコミュニケーションを楽にするためのもの。
『カバー』と『釣り』について - えびまよ式FPS講座と雑記
こちらの記事で扱っている用語が一部ありますので、もしよろしければ先にご覧になっていただけたら幸いです。
では、まずチームゲームにおいてコミュニケーションというのは面倒ですがマジで必要です。「言わなくても分かるっしょ?」は分からない人に通用しません。なので、会話による確認の作業がどうしても欲しいです。
同じ理屈で役割が存在します。そして、陣形もそうです。
陣形はカバーをするのに必要な動きと冒頭で述べました。そしてカバーにはコミュニケーションが必要なのです。
引用した記事で書きましたが、アグレッシブカバーはコミュニケーションが必須の動きですし、またパッシブカバーといえどVCを使ったほうが楽なのに違いありません。
つまり……
「チームゲームでコミュニケーションが必要な以上は陣形も役割も必要」
ということです。
必要というよりはあったほうが便利というのが正しいですが。
前置きが長くなりました。ここまで必要と騒いだ割に、
『ぶっちゃけコミュニケーションのレベルが高い場合、陣形という考え方も役割という考え方もあんまりないです』
そこにあるのはただ
陣形:カバーができるようにしただけ。
役割:緊急時に会話する時間を惜しむため役割作った。
+練習する時間が短くて済むから作った。
それだけでございます。
では続けていきます。
『陣形』
同じことを繰り返しますが、結局はコミュニケーションを削減するための考え方です。そしてコミュニケーションをする時間が与えられない場合、この陣形によって撃ち合い勝負の結果が左右されます。
Q「陣形をいつ使うのか?」
A「エリアを確保したい or 維持したいときです」
FPSにおいて最強の撃ち合いに勝てる状況は、相手が自分のことを見ていないとき。それは要するに一方的に撃って勝てるということ。
逆に最悪の負ける状況は、あなたが見ていない方向から撃たれること。
つまり……。
あなたが見ていない方向から殺された場合、あなたが注意していなかったか、もしくは陣形が悪かったということになります。
Q「陣形ってどうやるんですか?」
A「見ていないときに殺される状況を潰す+カバーができるようにしておく」
クリアリングできない or クリアリングをしようとしたら被害が出るときには、そのデンジャーゾーンを誰かが見てあげてください。
この矢印の向きにチームは進みたいと思っています。
クリアリングが必要になる箇所は三つあります。
右奥の部屋は非常に危険そうです。
目的はあくまで左の部屋を確保することなので、右奥の部屋には行きたくないとチームが判断しました。
次に射線管理の話に入りたいと思います。
はい、これが相手が取っているポジションによって生まれた射線です。
赤に敵がいないなら赤射線は消える。
青に敵がいないなら青射線は消える。
黄に敵がいないなら黄射線は消える。
さて、私たちは敵がいるかどうか分かりません。クリアリングをしていませんから。
では実際に陣形を活用します。
1. 目的である左の部屋を確保するために陣形を組みましょう。追加情報として、右の部屋のクリアリングはしません。
2. 陣形を考えるにあたって『先頭』と『それ以降』に分けます。
まず先頭が歩くべき場所はどこでしょうか?
はい、1は論外ですね。
先程の画像で見たとおり真ん中はすべての射線が通る地獄の環境です。
では、2と3はどうでしょう?
よく考えてみてください。
といっても、クイズをしているわけでもないのですぐに答えを明かしてしまいますが、結局のところ運ゲーです。
1は論外にしても、2と3は見ていない方向から撃たれる可能性が十二分にありますね?
もちろん細かいことを言えば確率的にどちらかといえば2 or 3が正解じゃね? と続けることはできますが、その答えを出すことに意味はありません。重要なのは、2を通ろうが3を通ろうが、見ていないときに撃たれる可能性があるということです。
見てないタイミングで出てこられたらどうしようもないですよ。
だからといって実際にクリアリングをしにいくわけにはいかない。
だから、見ていないときに出てきても助かるよう人間を配置するんです。
それが陣形なのです。
射線管理で上げた黄射線のことも考えると、陣形はこうなるのです。
Aの先頭が見ていないところを後ろのAがカバー。
Bの先頭が見ていないところを後ろのBがカバー。
同じ場所なぞ見なくてもいいのです。
火力2倍にする暇があったら『火力0倍を火力1倍にする』のです。
左下の網目のような射線状態が今回では起きています。あくまで自分が貼ったマップ例でしかないので、網目を意識するということではありません。
しかしながら、このクロスした射線状態になりやすいとは思います。
ここでガチのFPSに関するヒントを出します。
自分が死ぬと思ったら(あなたに射線が通っているのなら)銃声の鳴った方向を向きましょう。それまでは基本的にあなたが見ると決めた場所を見続けてください。
(相手がパッシブカバーをしているがために敵目線で味方が銃声鳴らした瞬間に出るという技術を使っているかもしれませんから。参考画像です。文章じゃ伝わりにくそう)
左で銃声がしたからって気を取られてはいけません。あなたは、あなたが見ると決めた方向を見続けるのです。
この画像の流れ
敵左くんが銃声を出した→味方チームが左を見る→
敵右くんがウマウマする→味方チーム切れ散らかす。
自分が死ぬわけじゃないなら、自分が決めた場所を見続けましょう。
それで誰もカバーがいなかったのなら、そもそもがコミュニケーションエラーです。前提がおかしいです。問題が起きたから誰かが悪いのではなく、前提がおかしかったから問題が起きているのです。
前提が間違っていたと気づいた上で問題が起きたのなら受け入れるしかない。けれど、前提が間違っていたことにすら気づいていなかったのなら、もはやそれは実力でしかない。
と、思います。
これにて陣形の話は終了です。
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『役割』
今度は役割についてですね。
いい加減記事が長くなってきたのでこっちは短くします。
役割の呼び方は色々ありますが適当に書きます。雰囲気だけ分かればいいです。
基本
1.前に出る人
2.カバーする人
3.全体を見る人
1.最初に撃ち合い始める人のことです。
AIMいい方が強いです。先頭が撃ち合いに勝てば数的有利になります。
死なないほうが強いです。死なないためには操作技術が必要です。味方のカバーが来るまで生き残れる技術が必要です。
2.カバーします。
少数戦の上手い人がやります。なぜなら1.より生き残ってるからです。
意思決定が得意だといいです。なぜなら1.より生き残ってるからです。それに味方のカバーをする判断が早くないといけません。
3.全体を見る人
意思決定のできる人がやります。思ったよりみんな撃ち合いに忙しくてなにすればいいのかよく分かってません。なので目標を与えます。
視野が広いほうがいいです。味方がなにをしているのか、敵がなにをしているのかの把握は当然です。味方がなにをしていたのか、敵がなにをしていたのか、まで把握できてようやく中級者ぐらいです。
で、こんな役割ぶっちゃけいらないです。みんなができれば問題ないからです。でもみんなできません。思ったよりみんな得意不得意が分かれてます。人間って不思議ですね。
なんかこう、パラメータ表みたいなのを作るとすると
AIM 5/10
判断 3/10
状況把握 3/10
操作 5/10
だったら前に出る人向きです。でも別にこんなのどうでもいいです。その時によって求められている役割なんて変わるので。チームを組んでいない場合はなおさらそうです。誰もやりたがらない役割を誰かがやることになります。
そしてチームを組んでいたとしても状況によって変わります。先頭で撃ち合いを始める人のHPが1になったとします。
いくら前に出る役割の人でもHPが1なら前に出れません。なのでカバーする人が前に出ることもあります。そんなの状況によって変わります。
じゃあなんで役割作ってんの? って話になります。
『練習する量が減るから』です。
同じことを反復すると人間は上手くなります。色んなことを少しずつやるよりも、同じことをたくさんやったほうが尖った人間になります。
そんな尖った人間同士が互いにバランスを取るとでかい円になります。
小さい円がたくさん集まってもポンデリングにしかなりません。
まあそういうことです。なのでキャラ差があるゲームは色んなのをちょこちょこ使うより、同じやつをたくさん使ったほうが強いです。そういうもんです。それはちょっと違うか……。
FPSなのにキャラ差があるゲームは分かりやすくていいですよね、役割が。役割が決まれば陣形も決まります。まあどうせみんなあんま気にせず適当にやってると思いますけど。
結局キャラが役割を決めるのではなく人間が役割を決めるので、そこをお忘れなく。必要なときに求められている役割をこなすのです。