指揮の読み合い

 本題:「指揮官の技術として読みづらい人間になるには」

 

 

 その前に

 

 指揮の読み合いって多分チーム経験あればやったことある人が結構いると思うんですけど、だいたい三つから構成されてると思ってます

 

 

 1.バランス理論

 2.指揮構想理論

 3.マップ理論

 

 

 1.バランス理論

攻め側「A側ばっか攻めたし、次B攻めね?」

守り側「そろそろB来そうじゃね?」

 

 っていう流れです。PUGレベルでよくある読み合いです。

 当たるかどうかは運ですね。

 

 

 2.指揮構想理論

攻め側「これまでmidを取ったらA攻めって布石を作った、よしB行くぞ」

守り側「これまでの動きがパターン化してきてる。逆を取ってBじゃね?」

 

 っていう流れです。ハイレベルです。

 当たるかどうかは人読みです。戦った経験が多い相手だとよくあります。

 

 こいつの面白いところは攻め側にダブルフェイクがあるところです。

 

攻め側「mid取った。BにアクションしかけてA行こうか」

守り側「Bじゃねえのかよ!」

 

 個人的に感動する試合はこういう読み合いがあるときです。

 

 

 3.マップ理論

攻め側「前提、ここまで取ったら次はこうすれば勝てるよね」

守り側「相手がふつうのことをしてくるだろうから、先に動こう」

 

 っていう流れです。ハイレベルな試合でも最も多く使われます。

 人読み要素もなにもない、ただ理論にしたがっただけの読み合いです。

 

 プロシーンの読み合いは基本これです。

 プロの試合を考察して似たような出来事ばかりなら、それが基本戦術になってるはずです。

 当たり前のことですが、研究したいマップを10本ぐらい見続けていれば戦術が95%ぐらい分かります。

 

 

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 話が変わるんですけど

 大会の動画って同じチームが何度も過去に戦ってきてるとすると、かなり指揮官本人による人読みがあります。

 

 プロの動画を見るのは練習にとって大切ですが、指揮官目線では大規模な大会の強豪チームばかり見るのはちょっと読み合いに悪い影響を与えるかもしれない。

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 話の本題に入ります。

 

 

 FPSってのはなぜか知りませんが『流れ』ってもんがあります。人間の調子に関わる部分です。この『流れ』ってのはかなり大切で、本来なら勝てないレベルの相手に勝てるようになります。

 勝率が50%の相手だとするなら、それを上げるために逃げの一手ではなくて攻めの一手を出すことがIGLに求められます。

 

 

 

 ここで一つ前提があります。

 マップ理論は基本的に読み合いにおける逃げになります

 

 

 それが悪いことではありません絶対に。ただし、ちょっとした格言みたいなのがあってですね。

「優等生は読みやすい」

「手のひらで転がりやすいのは優等生」

 っていうもんがあります。

 

 

 いや、正解なんですよ? マップ理論は

 どんな敵に対してでも同じことをしたら勝率50%を越えるものですから。

 

 

 一番使用頻度が高いのはマップ理論です。俺もそうです。プロもそうです。だけども、そればかりでは良くなくて。

 指揮官をやってて一番読みやすいのが、そのマップにおける基本戦術ばかりの使用 or 攻めないことによる攻め なんですよね。

 

  

 説明が難しいんですけど、5on1になったら理論上攻めなくていいじゃないですか

 

 でも攻めるチームっていっくらでもあるんですよ。自分たちよりも圧倒的に練習を欠かさずしてきたプロチームたちが。

 そこには、例えばですけど『流れ』ってもんが存在したり、ゲーム特有のシステム上から攻めたほうが良いケースもあります。

 

 

  

 他の例だと爆弾を設置した後って定石の守り方とかあるんですよ。

 その定石の守り方を前提に、AIMを置く位置を最初から決めてるプレイヤーもいるんですよ。

 クラッチプレイ(1on3以上とか、ここぞってときに勝つこと)とかって、冷静に考えたら起きるわけないんですけど起きるんですよ。だって、みんなマップ理論に従うから

 

 守り方が悪いってやつもあるんですけど、それをちゃんとしてても負けるときは負けますからね。だって読めるから

 

 

 

 みなさんクラッチプレイバランス理論を使ってると思うんですよね。

 なんで敵を倒した場所に、もうひとり隠れてる可能性を考えてないんですか?これってバランス理論ですよね。

 読み合いとして正しいんですけど、逆手に取ってクラッチされる側人数多い側)はそれを読むこともできるわけですよ。

 

 

 ポジション取り一つとってもですよ?

 頭一個ずらすポジションとか

 絶対に逃げられないけど1killは取れるポジションとか

 クリアリングの順番的に見ないところ(オフアングル)とか

 

 

 それですらいわゆる定石の守り方から外れたポジション取りなんですよ。

 いまやFPSという大枠でのレベルが高くなってきて、そのポジション取りの概念は一般化してきてますけどね、一昔前ならあんまり考えられなかった。

 そんな定石から外れた変なポジションにいるプレイヤーが称賛されるんですよ。

 

 読み合いというものを正しく認識できれば指揮官として味方をどこに配置するのかちゃんとできるわけです。個人技レベルでもね。

 

 

 なので、自分が思う理想の動きからズレている人がいるなら、自分が正しいと思わずになぜそういうプレイをしたのか、という読み能力を鍛えましょうね。

 なにが正しかったかっていうのは大切ではなくて

 なぜ、彼らがそうしたのかを考えるんです。

 

 

 

 次に活かされるのは、間違いの発見よりも思考の言語化だと思ってます

 

 

 

 話を戻して

 

 マップ理論から外れた動きをいかにできるかが、相手を出し抜くための技術なんですよね。

 これで本題:「指揮官の技術として読みづらい人間になるには」は回収となります。

 

 

 おわり