集中力の使い方

 自分は、幼少期からずっと、親や先生から”集中力がある子”と言われていました。昔は意味がよくわかりませんでしたが、小学校卒業ぐらいから他人と比較をして、自分は人よりも長時間同じことに集中できるんだなと、なんとなく感じていました。

 

 

 中学二年生の自分は、当時FPSに大ハマリしていて、プロの動画をちょこちょこ見るようになっていました。そのときに気がついたことがあったのですが、反応速度の速さが同じプレイヤーでも全然違うというものでした。

 

 まだ詳しくチームプレイなんて知らなかったものですから、漠然と報告や作戦上、いるはずがないところにいたのかな~なんて思ってたんですね。

 

 けれど、とあるプロゲーマーの動画を見たときに、そのプレイヤーはこれまた全部早いんですよ。反応速度に関して、ほぼばらつきがなかったんです。

 

 これは、たぶんチーム的要因じゃないな、個人の問題だな、と。

 

 けれど、反応速度なんて気にしていても意味なんてなかったので、無視していたんですよ。理由付けなんていくらでもできますから。

 そこで、自分が中学三年生のある日。初めて……ですね。たしか初めて。日本のFPS界で、初の国際大会優勝があったんです。

 自分がファンだった、その優勝チームに所属していたプレイヤーが生放送をしていたんですね。そこで、いろんな話があったんですが、今回の話につながるものがありました。

 プレイヤーごとに集中力の使い方が違う。というものでした。

 

 

 自分がファンだったA氏、そしてチーム最古参かつ世界に通じるだろうと言われていたB氏、そしてB氏を超える当時日本最強と言われていたC氏。

 これら三人の違いを、A氏が生放送で言っていました。

 

 まずA氏は、集中すべきところで集中する。そのときそのときで、瞬間的集中度合いはもちろん違う。例えばFPSなら、スナイパーライフルで壁際にクロスヘアを置いてるときの集中と、敵がどこかわからないけど大体この辺かなあって予想できるときの集中。この二つでは、集中度合いが違うということです。

 

 そして、B氏とC氏。試合中はほぼ完全な集中状態。

 

 

 自分はA氏と同じ。というか、人間は全員そうだと思っていました。

 当たり前の話ですが、みなさん100%集中状態を30分以上つづけられますか?

 私には絶対無理です。どうあがいてもできない。これは才能と呼んでも過言ではないような、努力の範囲を越えているものです。

 この話を聞いたとき、自分は個人技という点でゲームを上手くなろうと思うのを諦めました。

 絶対に到達できない領域があると知ったからです。

 

 だから、自分はこのブログを書けるぐらいには個人技ができうる限り必要のない有利の手に入れ方を考えるようになりました。

 

 FPSゲーマーならだれもがやったことのある見えたら撃つ、見えたら撃つ、見えたら撃つ……。このときレベルの集中力を、一試合中、30分以上も出し続けるなんて、一般人には、いや、自分にはできません。できるようになろうと思うことすらできません。

 

 

 集中力の使い方は、A氏の使い方が基本です。それがFPSの講座にありがちなマップを覚えるということです。どこに集中して、どのタイミングで集中するのか、要するに、集中力の使い方が分かるからなんです。

 

 自分は周囲から集中力があると言われていました。それは、同じことをつづけるという意味での、散漫な集中をつづけているだけ。

 本当の意味で、圧倒的頂点を取るような人ってのは全集中状態をほぼつづけている。

 

 そんなん無理やん。

 

 ちなみに、B氏やC氏には、「え? 敵そこにいたの?」がまずないらしいです。なぜなら常に集中している彼らは、常に見えたら撃つ。見えたら撃つ。見えたら撃つ。の状態なので、想定範囲外ということがないのです。

 

 

 普通のプレイヤーは、与えられた情報や手に入れた情報から敵の位置を予測します。かといって、じゃあ予測していない位置にいる敵に毎回びっくりしてるのかと言えばそういうわけではありません。

 いるならいるで、あぁ、いたんだ。殺そう。ぐらいに思うわけです。

 彼らは違い、いる→殺す。のプログラムがされているのです。

 だから、反応速度の速さに差があるわけです。それは世界のプロでも同様。

 

 身体の感覚は決めうちに近い状態で常にされている。こんな集中力をしているやつを倒すのには、本当の意味で完全な理屈上の動きをするか、彼らよりも強いプレイをしなければならないわけです。

 未だに、全盛期のB氏とC氏を超える日本FPSプレイヤーはいないと思っています。いたとしても、ギリギリ同格かやっぱりワンランクは落ちる。

 

 挫折とは程遠い、自分とは人間性能の違うプレイヤーがいるんだなあと、当時思いました。

 

 講座的なことを言うなら、みなさんは普通にどういうときに集中するのかを考えるのではなく、基本的に試合中はできる限り集中しましょう。

 それこそ敵がいないと確定していない場所、時間帯でなければ、常にです。例えばリスポンしてすぐの何秒間か。敵の残り人数と報告された位置が一致していて、完全に敵がいないエリアが確定しているとき。この二種類以外は、全集中状態をできるように。

 

 まあ、私にはそれすらできませんが。

 理想論を吐かないなら、当たり前のように集中すべきところはして、しないときはしないとしか言えませんね。